留学生2人を擁する奈良産業大学。留学生の一人クアライは調子を上げており、1区に起用されるならば区間上位で帰ってくることが予想される。そして気になるのがもう一人の留学生キハラをどの区間で起用してくるかということだ。2，4，8区のいずれかであるだろうが、2区であった場合には2区終了時点で5位前後に位置している可能性もある。そして日本人であるが松本や上村を中心に10000mを30分中盤で走れる選手がおり、懸念されていた選手層も1人駒が足りないかと思いきや用木が急成長し、その弱点をも補ってきた。日本人だけの強さで言えばだいたい名大と同じくらいだと考えてよいだろう。つまり、客観的に持ちタイムなどをみると、留学生の分だけ名大が劣っている。それゆえ、奈良産業大学に勝つのは少し難しい気もするのだが、1人1人が奈良産業大学の日本人に少しずつ競り勝ち、留学生の分のリードを埋めて勝ちたいものである。

松本信行（08全日本2区19位、関西IC2部10000m5位）

日本人エースの中の1人。駅伝ではだいたい長距離区間を務めている選手で今回も主要区間を務めることとなるだろう。留学生を前半に使うとしたら8区あたりが濃厚か。10月の日体大記録会で10000mのベストを30’20”75まで伸ばしてきており、調子もいいため主要区間でもそれなりの成績を残してくるだろう。

平田一真（関西IC2部5000m7位、08全日本5区21位）

チームの5~6番手の選手でインカレ路線では1500mにも出場していた。予選会では2組を31’09”80で3着に入り、チームの全日本出場に貢献した。この間の日体大記録会では31’14”65とまずまずの走り、おそらく3,5,6区あたりを走ることとなるだろうが、その場合名大の選手とも実力がほぼ同じなので、1つの目標となりそうだ。

上村康成（関西IC2部5000m5位）

予選会でチーム内日本人トップの30’38”00で走った選手で、松本と並ぶ日本人エースである。インカレ、予選会と好走したが、昨年の関西学生駅伝ではあまりいい走りができず、2年前の全日本も出場していないのであまりロードの力が分からない。ハーフマラソンの記録が68’37”と遅くはないが驚くほどの記録でもないので、トラック型なのかもしれない。だが、日体大記録会では30’39”42というタイムで走っており、力があることは確か。おそらく主要区間を走ってくるだろう。

J・クアライ（全カレ10000m4位、08全日本1区19位）

豊川高校出身の留学生で今シーズンは好調を維持し、秋に入ってから全カレで4位に入賞し、日体大記録会でも28’45”71の自己ベストを出すなどより一層調子を上げている。2年前の全日本では1区を45’44”の区間19位と振るわなかったが、今年は区間上位で来るだろう。1区である可能性が高く、チームをどれだけ勢いづけることができるだろうか。

用木大地

今まで大きな試合での実績はほとんどなく、関西ICも3000mSCで9’38”75の11位といまいちパッとしない選手であったが、先日の日体大記録会で30’44”16とベストを1分近く更新し、急成長を見せ、一役選手候補に名乗りを上げた。この勢いのままつなぎの区間ではあろうが選手の座をつかみ取りそうだ。

T・キハラ（予選会3組1着（全体5着））