中長ブログ - 鈴木智大さんのエントリ |
2020/04/07
私が今日も歩く理由
執筆者: 鈴木智大 (17:45)
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この春卒業された先輩方、今までお疲れ様でした。そして2年間ありがとうございました。 すがさくらから回してもらって、1ヶ月が経ちました。卒業レーンが終了したので、通常レーン再開です! さて、本来なら既にシーズンインの時期ですが、今年はそうはいきませんね。 周囲では活動停止の影響か、「モチベーションの低下」という声を良く聞きます。 僕はと言いますと、みんなで部活ができないのは寂しい毎日ですが、基本的に目標を見失うことなくやるべきことを淡々とこなしています。というのも、このような活動停止期間に入る直前、自分の競技に取り組むモチベーションは何なのかに悩み、ちょうど「答えのようなもの」を見つけたばかりだったので、あまりブレることなく現状と向き合っています。 きっかけは、2月に行われた日本選手権でした。 足の痛みから1kmラップが5分後半まで落ち込み、続けても打ち切り確実という状況になり、18km過ぎで途中棄権しました。 打ち切りでも良いから歩き切ろうか、それとももうやめようか、悩みながら歩き続けていました。そのレースに至るまでの周囲のサポート、当日の応援などが常に頭をよぎり、簡単には結論を出せない状況にありました。 結局は痛みに耐えかねて棄権。しかし、終わってみると痛みはあるものの意外と普通。あと2キロ弱、歩き切れたのではないか、そんな思いが込み上げてきました。モヤモヤのまま女子のレースまで終了。復帰レースとして臨んだ日本選手権を終えました。(松永さん名大記録おめでとうございます、4連覇もおめでとうございます!) さて、レース後、棄権の要因について考えました。明らかに身体的要因はその一つです。ただ自分の中でどうしても、精神的要因が絡んでいたのではないかと思っていました。自分がそう思っているのだから、多分そうなのでしょう。そして、もし精神的な弱さが絡んでいたとしたら、今後の競技でも大事な場面で影響を与え得るのではないか、そう思いました。 そこで気づいたのが、自分の競技への動機付け(いわゆるモチベーション?)が大学で競技を続けるうちに大きくズレてしまっていたことでした。 簡単に言うのであれば、高校〜大学初期の頃までは内発的動機が強かった一方で、最近は外発的動機が強くなっていた、と言うことです。 レースでそこそこの結果が残せていたかつては、自分の中ではっきりした大きな目標、しかも手が届く目標を掲げ、それを達成するために猛進していました。しかし、故障が絡み、そもそも思い切り歩くことが困難になってからは、そういった内発的な目標は大き過ぎて手の届かないものだけが残り、実際に自分を動かしていたのは、「応援してくれる人がいるから」とか、「指導者の方には根気よく面倒をみていただいているから」とか、だからやめるわけにはいかない、と言わんばかりの外発的な、悪く言えば自分の意思とは無関係な動機で競技と向き合っていました。 このような「弱い」動機では、苦しいレースで最後までやり切れないのは当然だ、そう結論づけました。だって、自分がやりたくてやっているわけじゃないんだから。 このままではいけない。そう思い、僕自身はなぜ競技を続けているのか、結果が出なくなっても辞めていないのか、考えてみました。 目的は、改めて競技をやる動機をはっきりさせることです。ただ、今までのような内発的動機付けではだめです。そもそも全国大会優勝のような目標は現状では手が届かないし(日本競歩強過ぎぃ)、そんな目標はただの妄想だからです。 1つ思いついたのは、まだ可能性を感じているから、諦め切れないから、という理由です。でも、どうもパッとしないしこれだけでは弱いなぁと感じました。 考えても2つ目以降が出てきません。もうわからん。そこで何人か知り合いに、何で陸上してるのか、どういうことを考えて歩いているのか、無茶振りな質問をぶつけてみました。ちょっと紹介しようかと思いましたが、長くなりそうなので略。1番大事な過程かもしれませんが、聞きたい人いれば連絡して聞いてください。 何やかんやあって(ざつぅぅ〜)、今落ち着いたモチベーションは、結果よりも「過程を楽しむ」ということです。結果がどうでも良いとは言いません。今は結果を追うべき時ではない、そう思っています。最終的な到達点はしっかりと見据え、そのための取り組みを整理し、今やるべきこと、1ヶ月後にやるべきこと、その先にやるべきこと、それらを整理した上で、自分が今日やったことに対して感じた成長、1週間で感じた成長、些細なことでもできるよになったこと、それらを一つ一つ実感し、楽しんでいます。 結局、それらを積み重ねていかないことには、結果は出ないし、結果から得られるものは名誉くらいで、将来生きるものがあるとしたらそれは過程から得られるもだろうと思っています。 紹介しないと言いましたが、一つだけ偉い人の言っていたことを紹介します。 陸上競技は、無限に許される入力(取り組み)を評価関数(レース)の出力(タイム)でフィードバックしているだけで、学問と大きく変わらない。 結果は大切です。でもそこに過程が伴わなければ意味はないし、そもそも過程が伴わなければ結果も生まれません。 だからこそ、小さな成長でも大切に、そして着実に一歩一歩進んでいくことを選びました。これの良いところは、自分以外に自分を左右する要素がないところです。自分の責任で、自分のやりたいように、トレーニングを表現する。活動停止中でやれることが限られているなら、その中でできることに目を向けて取り組めば良い。そこで自分の目的としたものが得られれば、例え普段と違うトレーニングだとしても、確実に前進している。 何だか無理やり現状に繋げようと思いましたが、なかなか上手くはいきませんね。 現状、困っている人、迷っている人、萎えている人、色々いると思います。 そういう人たちは一度競技との向き合い方を考えて、今できることをシンプルに、小さなことでも毎日取り組んでみてはいかがでしょうか。恐らくポイント練習等ができる環境にない人も多くいると思います。せっかく当面大会もなくなったことですし、可能な範囲で、自分のやりたいように、好きなトレーニングを表現してみてください。 最後に…。 過程を楽しむとは言ったけど、結果が出ないと「昔ちょっとだけ速かった人の負け惜しみ」みたいなので、まだまだ頑張ります。諦めちゃいませんよ。 次は中距離パート長のあつきさんに回します。よろしくお願いします! |
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